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ボルボが発表した新型V60は、前モデルからどう進化したのか?
2018年9月25日にボルボが新型のV60を発表しました。新型のV60は、前モデルと比較して、どのような変化・進化がもたらされているのでしょうか。
■新型V60が日本導入
新型V60が発表されたのは、2018年2月に開催されたスイス ジュネーブショーの会場でした。それから約半年後、ようやく日本導入が開始されました。
新型のトピックは、日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得したXC60と共通の新しいプラットフォームSPA(Scalable Product Architecure)をベースとしていることです。現行90シリーズにも採用されるSPAによって、プレミアムミドルクラスのエステートモデルとしての資質を高めています。
それに搭載されるパワーユニットは、3種類ですが、ガソリンエンジンは1種類のみで、残り2つはPHEVとなっています。このあたりは、2025年までに販売台数の半数をEVにするための布石ともとれるものです。
定評のある安全技術「Intelli Safe(インテリセーフ)」は、衝突回避軽減フルオートブレーキシステムに対向車対応機能を追加。これまでのオンカミングレーンミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)と、インターセクションサポート(右折時対向車検知機能)と合わせて、対向車との事故を回避することに役立てます。
インテリセーフは、すべてのグレードに標準装備となります。
■前モデルの特徴
前モデルのV60は、2010年に発表。2011年6月より日本でも販売が開始されました。
2017年8月のマイナーチェンジ時点でラインナップに載っていたのは、T3クラシック、D4タック ディーゼルターボATを代表とする7グレードです。
標準型のボディサイズは、全長4,635mm × 全幅1,865mm × 全高1,480mm。最終モデルのエンジンは、ガソリンに1.5L直列 4気筒ターボ(T3)と2.0L直列 4気筒ターボ(T5)、さらにターボとスーパーチャージャーの2つの過給器を備える2.0L直列 4気筒(T6)。ディーゼルは、2.0L直列 4気筒ターボ(D4)で、PHEVはラインナップされていませんでした。
ちなみに、2016年に100台限定で販売されたV60ポールスターには、シリーズ最強の最高出力270 kW(367 PS)/ 6,000 rpmに最大トルク470 Nm(47.90 kg−m)/ 3,100 rpmを発揮する、2.0L直列4気筒ターボ+スーパーチャージャーガソリンエンジンが搭載されていました。
トランスミッションはT3 クラシックの6速ATを除き全て8速ATとなっています。駆動方式はFFを基本に、ツインチャージャーを載せたT6モデルのみAWDです。
■前モデルよりコンパクトになった!
新しいV60のボディサイズは、全長4,760mm × 全幅1,850mm × 全高1,435mmとなっています。全長こそ前モデルより125mm長くなっているものの、全幅(−15mm)、全高(−45mm)を削ったことは、日本国内の販売にはプラスに働きそうです。
パートレインは、T5エンジンがキャリーオーバーされているものの、圧縮比などが見直された結果、最高出力が約10psアップの最高出力187kW(254ps)/5,500rpmの最大トルク350Nm(35.7kgm)/1,500〜4,800rpmを発生します。
T6 Twin Engine AWDとT8 Twin Engine AWDは、いずれもインタークーラー付きターボチャージャーとスーパーチャージャーを備える2.0L 直列4気筒と電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドです。
それぞれのエンジン出力は、T8が最高出力233kW(318PS)/6,000rpmと最大トルク400Nm(40.8kgm)/2,200〜5,400rpm、T6は最高出力186kW(253ps)/5,500rpmと最大トルク350Nm(35.7kgm)/1,700〜5,000rpmで、それにフロント160Nm、リア240Nmを発揮する電気モーターが前後に配されます。
駆動方式は、フルタイム4WDで、トランスミッションは電子制御8速AT(ロックアップ機構付ギアトロニック)です。
かつての850やV70 の伝統を受け継ぐ、ボルボのミドルクラスステーションワゴン。ブランドバリューでは、ドイツ勢に一歩譲るものの、車両デザイン、エンジン、インテリア、走行性能や環境性能、さらには先進の安全装備など、いずれを取っても十分にライバル足り得る性能を達成しています。
今後、ドイツ製の築いたプレミアムミドルクラスの台風の目になりそうです。