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ボルボが発表した運転席のない車
2018年9月13日に、スウェーデンの自動車メーカーのボルボが発表した車は、運転席のないものでした。今回はこれまでの常識をはるかに超えた車について、詳しい情報をお伝えします。
■運転席の無いトラックというコンセプトカー
ボルボが、スウェーデンのストックホルムで発表した運転席の無い車は、トレーラーを牽引するトラクターヘッドです。
ベラ(Vera)と名づけられたトラクターヘッドは、見慣れた運転席部分が無く、単体ではまるでコンセプトスポーツカーのようにも見えます。このコンセプトカーを理解するうえでキーワードは、「より効率的、より安全、そしてよりきれいな輸送」です。
■3大技術分野を組み合わせているベラ
ベラの特徴を一言で説明すると、現在注目されている3つの大きな技術分野を組み合わせた性能を備えているということです。その3つの技術とは、自動運転・コネクティビティ・電気自動車。
まず自動運転とコネクティビティに関してですが、精巧な自動運転システムを用意していて、センチメートル(cm)単位で現在位置を確認。周りの道路状況の分析を正確に行うことが可能となっています。
また車両がトランスポート・コントロール・センターに接続され、バッテリー状況や運搬物の状況にサービス要件なども確認することを可能としています。
走行音は、本格的な電気自動車ということもあり騒音レベルが非常に低く抑えられています。ドライブトレインやバッテリーパックは、ボルボが製造・販売する電気トラックと同じものです。
必要な情報を的確に伝えるだけでなく、現在の道路状況のなかでの最良な選択をできるようにサポートされた無人自動運転のトラックであるだけでなく環境に有害な排気ガスを発生させず騒音も少ないトラック、まさにボルボが発表したコンセプトカーのトラックは現代の自動車技術を組み合わせた未来のトラックに期待されていることの表れともいえます。
■ベラのようなコンセプトカーが誕生した背景
ベラが誕生した背景には、トラック輸送の現状が関係しています。消費者が購入・消費するものが増えたことやEコマースの普及・拡大による輸送物の増加、そしてトラックドライバーの人手不足、このような事実が今回のコンセプトカー誕生に影響しているといいます。
ドライバー不足のトラック業界にとって運転席無しの自動運転トラックは希望の星となることでしょう。
■安全性は今後の課題の一つ
自動運転において特に気になるのがその安全性、今回発表されたコンセプトカーのベラの安全対策にもボルボ社は力を注いでいるとのことです。
車体には数多くのセンサー、レーダー、さらにはカメラを装備。現段階では低速度域で走行するように設計されていますが、当然、インフラストラクチャーの整備も今後は必要になることになるだろうとのことです。
しかし開発が進んでいけば、ベラの速度域を高くすることが可能となる、コントロールセンターの管理能力の向上、より効率的でエコな物流システムの完成に近づくのです。
運転席のある自動運転自動車は、実用化に向けてさまざまな取り組みが行われています。自動車だけでなくコントロールセンターのサービスバリエーションも、今後の研究によってはさらに進化することが期待できるでしょう。
トラック業界でもおおいに注目されている自動運転ですが、ベラのような運転席の無い、100%電気で動く、コネクティビティを備えたトラックがコンセプトカーとして発表されたことは注目に値することです。実用化には時間がかかりそうですが、今後の進展に期待しましょう。