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2018/3/22 What's VOLVO

ボルボ初代の車「Jakob(ヤコブ)」って知ってます?

1927年(昭和2年)、スウェーデンのベアリングメーカー、SKF社に在籍していたアッサル・ガブリエルソンと元社員のグスタフ・ラーソンにより、ボルボ社は創設されます。ボルボ社の量産車第1号が「ÖV4」、通称「Jakob(ヤコブ)」でした。

 

ボルボ社の創設は社内ベンチャーだった

 

ボルボ社を創設したのは、当時スウェーデンのベアリングメーカー、SKF社の販売部長であったアッサール・ガブリエルソンと、元SKF社のエンジニアであったグスタフ・ラーソンの二人です。1924年(大正13年)、ガブリエルソンはスウェーデンが世界水準以上の工業国であるにもかかわらず、労働者の賃金が安いことに心を痛めていました。またSKF社の製品は、既にフォードがT型モデルを量産し世界有数の工業国かつ巨大市場でもあるアメリカの同製品と比較しても、高品質で低価格であるとし十二分な競争力があることを確信していました。

アメリカ市場でスウェーデンの工業製品が認められたら、SKF社製品の販売数が伸び利益を確保でき、労働者の賃金改善にもつながります。そこでガブリエルソンはSKF社製品を使用した自動車を製作し、アメリカに輸出する計画を立案します。

一方、かつてSKF社のエンジニアであったラーソンは、スウェーデンの厳しい自然環境や道路事情に適合した自動車のアイディアを温めていました。ガブリエルソンは自動車製造に傾倒していたラーソンと共にスウェーデンに自動車産業を興すため、ストックホルム駅前のカフェで偶然を装い、ラーソンに会い協力を仰ぐのでした。

1926年(大正15年)、最初のプロトタイプ自動車が完成します。SKF社は自動車製造プロジェクトの可能性と重要性を認め、活動停止中の子会社「VOLVO」の専務取締役にガブリエルソンを任命し、イエテボリに本社を置きました。自動車メーカー、ボルボの誕生です。
ちなみにVOLVOはラテン語で「私は廻る」の意。ベアリングメーカーの子会社らしい名称です。

 

ボルボ量産車第1号誕生

 

プロトタイプの完成を経て、1927年(昭和2年)4月ボルボ社初の量産車が誕生しました。2ドアオープンボディで5人乗りの第1号車は「ÖV4」と名付けられました。ÖVはÖppen Vagn(スウェーデン語でオープントップの意。)を表し、4は搭載エンジンの気筒数を意味します。

ÖV4の概要をご紹介します。エンジンはサイドバルブ式直列4気筒、内径75mm行程110mm、総排気量1,944cc、最高出力は28bhp(28.38ps)/2,000rpmでした。前進3速後進1速のトランスミッションを備えます。

ボディにはトネリコ材やブナ材を鋼板で覆ったフレームが使用されました。ÖV4のボディバリエーションには「ÖV4 TV」と呼ばれるピックアップも存在しました。また「ÖV4」はシャーシとしても外販され、ボディ架装メーカーにより様々なボディが取り付けられました。どちらもÖV4のフレームが頑強であればこそ、実現できたことです。
「ÖV4」の外装は、馬車を思わせるデザインでクラシカルな装いです。フロントマスクにはすでに、アイアンマークのロゴと右上から左下に対角線が配されるグリルが採用されています。今やボルボブランドのアイコンとなったフロントグリルは、90年近くに渡り初代から脈々と受け継がれてきています。外装色はボディがブラック、フェンダーが紺色の組み合せのみです。

内装に目を移すとフロント2座、リア3座の5名用シートが配置されています。どちらも高級ソファを思わせる気品漂うデザインです。右ハンドル車ですが、室内幅に対しステアリングホイールがかなり大きめです。フロントノーズにエンジンを配置し、まだパワーステアリングのなかった時代ですから、かなり重めのハンドル操作であったことを物語ります。

最高速度は時速90kmとのこと。エンジン出力を考えると、ÖV4はかなり軽量であったことを伺わせます。
「ÖV4」は1927年から1929年にかけて製造されました。生産台数は275台。そのうちオープンカー用ボディとして205台が生産されています。「ÖV4」そのものの生産台数はわずかに70台ほど。現存していれば、かなり貴重な存在です。

 

実は「Jakob(ヤコブ)」は1台しか存在しない?!

 

1926年に完成した最初のプロトタイプ自動車は、実は10台存在していました。見分けがつくように外装色が変更され、それぞれにニックネームがつけられました。プロトタイプの黒い車両につけられたニックネームが「Jakob(ヤコブ)」でした。そのため本当の意味では、ボルボで「Jakob(ヤコブ)」と呼ばれる車両は「ÖV4」の黒いプロタイプただ1台だけなのです。

しかし市販車のカラーリングもボディが黒、フェンダーが紺色のブラック系統のコーディネート。どこからか黒いプロトタイプのニックネームが知れ渡り、愛情をこめて「Jakob(ヤコブ)」と呼ばれるようになったのかもしれません。

ちなみに「Jakob(ヤコブ)」とは、旧約聖書創世記に登場する人物です。名前の意味は「踵を掴む者」で、出生児に双子の兄の踵を掴んで生まれたことに由来します。創世記のヤコブは双子の兄より長子の座を奪い取ったため、英語では慣用句的に「人を出し抜く」という意味でも用いられます。

ボルボの創業者の1人、アッサール・ガブリエルソンはスウエーデン製自動車の輸出を目指して「ÖV4」を開発しました。輸出先のアメリカには当時、世界初の量産化に成功したフォードが君臨しています。またドイツにも世界最古の自動車メーカーの1つ、ダイムラー社があります。自動車メーカーとしては後発組のボルボは、フォードやダイムラーを「出し抜く」期待も込めて、「ÖV4」のプロトタイプに「Jakob(ヤコブ)」のニックネームを与えたのかもしれませんね。

 

posted by NEXTAGE|株式会社ネクステージ
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