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2018/10/16 What's VOLVO

ボルボのレースの歴史

運転手、乗員、歩行者の安全を中心に据えて開発されてきたボルボの歴代車。この思想は単に衝突時に乗員を保護し、歩行者への衝撃を低減するだけのものではありません。ボルボ創業期には、運転手が運転しやすい車両こそが、事故を起こさず安全と考えられていました。現代でいう「0次セーフティー」の思想です。そのためボディデザインを、車体感覚を把握しやすく、一般道を走行するに十分な運動性能を与えました。

 

つまり、ボルボ車は安全なだけでなく、運転しやすくコントローラブルでもあるわけです。こんな素性の良い車両がレースカーのベースにならないはずがありません。この記事ではそんなボルボのレースの歴史についてご紹介します。

 

■レース参戦初期

ボルボの車両がレースに使用され始めたのは1940年台後半のこと。プライベーターがボルボ車でラリーに参戦しだしました。なかでも有名だったのがGunnar Andersson。彼のPV444は他のラリーカーより非力でしたが、コンパクトで頑丈なボディのおかげで1958年のスウェーデンラリーに優勝。同年、ヨーロッパラリー選手権(ERC)でも優勝しました。

 

PV444の後継となるPV544や122Sアマゾンでも、ラリーに参戦、なかでもPV544は、2度のヨーロッパ選手権チャンピオンに輝くなど、当時、もっとも成功したタリーカーの1台に数えられています。また1960年代には、耐久性の高いエンジンとミッションによって、北米のレース場でもメジャーな存在になっていました。

 

■1980年代のターボ時代

1980年代に多くの自動車メーカーがエンジンにターボを装着するようになりました。ボルボでは、FRハッチバックでCVTを後方に配置し重量配分の適正化を図った343にレーシングバージョンを設定しました。343のレーシングバージョンは1.6Lターボエンジンを搭載し246hpを発揮し、フォード エスコートなどのライバル車と対等に渡り合いました。

 

この時代にワークスチーム「R-Team」が結成されます。結成したのは、かつてプライベーターとしてPV444でラリーに参戦し、1958年のヨーロッパラリーチャンピオンの栄冠に輝いたGunnar Andersson。

 

1958年のヨーロッパラリー選手権(ERC)での優勝後、Anderssonはボルボのテストドライバーとパフォーマンスパーツ部門(後のVolvo Competition Service)の責任者を兼務していました。R-Teamは無類の強さを誇り、ヨーロピアンラリークロスで活躍しました。

 

80年代のボルボのレースマシンとして有名なのは240ターボです。85年のヨーロッパ・ツーリングカー選手権(ETC)で          総合優勝に輝きました。流線型デザインが一般的なレーシングカーにおいて、240ターボはスクエアでおよそ空力特性を考慮したとは思えないフォルムでした。それでも圧倒的な速さで他車を寄せ付けませんでした。この240ターボはFlying Brick(空飛ぶレンガ)の愛称で親しまれました。

 

■1990年代のエアロパーツの認可

1994年、ボルボは無謀にも850エステートでイギリスツーリングカー選手権(BTCC)に復帰。翌1985年には、全25レース中、13回のポールポジションと、7回の優勝を獲得し、ファンを熱狂させました。ところがそれは、FIAがレギュレーションを変更し、エアロパーツの装着を許可するまでのことでした。

 

その後、1997年にはセダンボディのS40 にマシンをスイッチ。1998年のBTCCでは、総合優勝を遂げました。1996年と1997年にレースで優勝したチームが、現在のポールスター・レーシングとなります。

 

ちなみに現在のポールスターはボルボのレーシングチームのイチ部門から独立し、ボルボ・グループのハイパフォーマンスカーブランドになりました。レーシングカーやレーシングパーツの製造だけでなく、市販車対応のチューニングパーツも販売しています。

 

■2000年以降から現在

2000年代に入り、ボルボはレース活動を休止していましたが、ポールスターとタッグを組んでレースに復帰しました。2009年のスウェーデン・ツーリングカー選手権(STCC)で優勝を皮切りに、アメリカのピレリ・ワールド・チャレンジシリーズではK-PAX Racing に所属するRandy PobstがS60 T5 AWDでドライバーズタイトルを獲得。2016年にはオーストラリアのV-8スーパーカーで何度か勝利に輝いています。

 

2011年、1.6L直噴ガソリンターボ開発のため、世界ツーリングカー選手権(WTCC)に参加。レースシーンで鍛えられたエンジンは、現在ではDrive-Eとして量産されています。

 

WTCC2016年シリーズ参戦にあたり、ポールスター・シアン・レーシングは優勝までの3カ年計画を発表しました。1年目はノウハウの蓄積、2年目はレースの勝利、3年目はシリーズ優勝でした。しかし1年目でレース勝利を達成、WTCCシリーズ優勝も1年前倒ししの2017年に達成しました。

 

WTCCは2018年よりWTCRとなりました。ボルボでは、WTCR参戦車両を開発中です。2018年シーズンは間に合いませんでしたが、2019年シーズン参戦を目標にマシンの開発が進められています。