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2016/4/1 What's VOLVO

V70 R AWD

撮影協力:Cafe Dufi

 

 

「ショップオーナーの父親の影響でしょうか、昔からこれと決めたら没頭していくタイプ。自分の手で、物や世界を作るのが好きなんです」。黒を基調としたスタイリッシュなファッションについて質問すると、和田歩さんはそう教えてくれた。

父親が経営するのは、ドッグアイテム&アウトドアグッズをそろえる千種区の「R・E・T・A」。業界ではよく知られた店だ。アウトドア、ハンティング、スキー、そしてクルマ。

 

 

多趣味な父親の背中を見て育ったという和田さんも、人に流されることなく、いい物を自分で見極めるライフスタイルが当たり前のものとして生きてきた。芸術大学の在学中も、カラフルなファッションで身を包む同世代の中で、自分が好きなモノトーン系のスタイルを貫いた。「父親はモデルの仕事もやっているので、“いい物を長く使う”という考えを知らず知らずのうちに教わっていたのかもしれません。そういえば昔から、革底のひも靴を履いていましたね。それも“ファッションは足元から”という教えがあったからだと思います。ちなみに今しているニットタイは、亡くなったお祖父さんの形見なんです」。ブランドにはこだわらず、シンプルで着まわしの利くものを選ぶという和田さん。大きな瞳からは強い意志が感じられる。

 

 

 

そんな彼女が今携わっているのは、ペットシッターという仕事だ。東海地方のさまざまな家から犬を預かり、その世話をする毎日を送る。幼い頃からすぐそばに犬がいた。「小さな頃は、犬小屋で寝たこともあるんですよ」と微笑む。動物が相手ということもあり、ペットシッターという仕事に休みはない。ゴールデンウィークやお盆などの繁忙期には1日で20頭と触れ合うことも。また自身も、ラブラドールレトリバーの「アリス」と、ラブラドール×紀州犬の「クマ」の飼い主として2匹に愛情を注ぐ。そんな多忙な日常でも、『苦労』ということばを口にしないのは、和田さんにとって、犬が欠かせない存在になっているからだろう。

 

 

 

 

父親が店を空けるときは、和田さんも店頭に立つ。別の日に会った彼女は、プライベートの時とは一変して、鮮やかなアウトドアスタイルを着こなしていた。「仕事をするときは、動きやすく、それでいて店の看板となるように印象的な服を選ぶようにしています」。仕事柄だろうか、オンタイムの表情がより柔らかくなっているのが印象的だ。店について聞くと、「『R・E・T・A』は私が生れたときにできたお店。『A』は歩のAですから、私にとっては店も大切な存在なんです。25年以上経つ老舗のお店なので、これまで築いてきた信頼を私が壊してしまわないように、接客の際も気は抜けません」と聞かせてくれた。

しかし彼女のオンタイムはこれだけで終わらない。ふと店にディスプレイされたTシャツに話題が及ぶと、彼女自身がデザイン画を手がけたとのこと。さらりと描かれた犬のイラストは、なかなかの腕前だ。さらに最近は、オリジナルのリード(首輪)ブランド「デューセス」の活動も忙しい。「デューセスとは、デューク(公爵)とプリンセス(王女)の造語。小型犬には当たり前のようにあるキュートなリードを、大型犬にも付けてあげたい。それがきっかけです」。現在は商品を完成させるべく、デザイン、サンプル制作を行っていると言うから、そのバイタリティには恐れ入る。

 

 

そんな彼女のプライベートを切り取ると、クルマで彩られていることが分かる。仕事をサポートするのはボルボV70R。ドーンブルーパールを選んだのも彼女らしい。大学生の頃に免許を取得。過去にはベンツやジャガーを操ったこともあるそう。

 

 

「走るのが好きなので、本当は2シーターのクルマに乗りたいんです。でもペットシッターという仕事に就いてからは、犬を乗せることが前提なのでワゴンという条件は欠かせません」。そして自らの時間を捻出しては繰り出すのが、ラジコンサーキット。大学の頃から始め、すでに4年のキャリアだ。最初は友人の様子を見ていただけだったが、今ではキットの選定から組み立て、塗装まですべて自分で行うという熱の入れようだ。「仕事ではワゴンにしか乗れないので、ラジコンはオンロードタイプばかり。今は3台のシャーシと5つのボディを持っていて、空き時間ができると友人とサーキットへ出かけています」。なかでもハートでファイヤーパターンを描いた、ピンクのボディに注目したい。マスキングと塗装を5回も繰り返したという和田さんの力作だ。

 

 

仕事も趣味も自分流の和田さん。様々なエリアを行き来するペットシッターの仕事、そして休日の自分の居場所へ。V70Rの走行距離は1年で4万kmにも及ぶという。「犬がいれば寂しくないし、どこへでも行けるんです」。どんなに遠くても自分で運転するというこだわりがある。オイルなどの日常点検も人任せにはしない。

 

 

このように、和田さんの生活には、犬と同じくクルマが欠かせない。さぞかしクルマにも愛情を注いでいるかと思えば、少し意外な答えが返ってきた。

「犬が乗ればニオイが付きますし、毛も落ちます。クルマは大切ですが、だからと言って、それを防ごうとも思いません。クルマはクルマ以上でも以下でもないと思っていますから」。 この考えは、実は犬に対しても同じだと言う。「犬はかけがえのないパートナーですし、私の日常の一部です。でも好きだからといって、人間のような生活をさせるのは、少し違うのではないかと。あくまでも犬は犬として、彼らの生き方をサポートするのが私の役割だと思っています」。

犬とともに人生を歩み、今も日常のほとんどを犬とともに過ごす和田さんだからこその言葉に、頭を殴られたような気持ちになる。しかし、そう話している彼女の表情はやさしさに満ちており、犬とクルマに対する深い思いが感じられた。

 

 

 

若くして人生観が確立している彼女だからこそ、その将来への思いにも興味が湧く。自らの未来像は?という問いをぶつけてみると、「今も十分に楽しく過ごしていますが…」という前置きの後に、「漠然とですが、自分自身でショップをプロデュースし、運営していきたいという夢はあります。でも将来について突き詰めて考えると、『流行などにとらわれることなく、自分らしく、素直に、ありのまま生きていきたい』、その言葉に尽きますね。これまでもそうですし、これからもその考えは変わらないと思います」と語ってくれた。

夢のひとつとして教えてくれたセルフプロデュースのショップ。あえて口に出さなかったが、その内容はもちろん犬に携わるものだ。現在開発中のオリジナルブランド「デューセス」も、「R・E・T・A」の看板商品になる日が近いかもしれない。また、V70Rを使って、アリスやクマと遠くへ出かけるのも、近いうちに実現したい目標のひとつだそう。

自らの人生を輝かせるために、自分が信じたものをどんどん極めていく和田さん。彼女のこれからには、犬とクルマが当たり前のように付き添うのだろう。これまでがそうであったように。


Photographs by Noriyuki Washizu Text by Eiji Kito Creative Direction & Art Direction by Akihiro Imao