Blog
ブログ
2018.03.27 Whats VOLVO
初代V90と最新V90はどれほど変化した?
2016年、18年ぶりに復活したV90ですが、メカニズム的には直接の後継車ではありません。名称が復活しただけで、全くの別車種とも言える2台です。では一体、どれほど違うのでしょうか?初代V90と最新のV90を比較してみました。
・初代V90はどのような車か
1996年から製造された初代V90は、1998年に生産を終えます。余りにも短命ですが、実はV90は960エステートがマイナーチェンジにより改称したモデルです。当時のボルボでは車両の名称をアルファベットと数字の組み合わせで表記する取り組みを始めており、数字だけの車名を変更していました。そのためV90(実質的には960エステート)の生産期間は1990年から1998年までの8年間と長期に渡ります。 初代V90はメカニズムやデザイン的に740/760シリーズの系譜を汲むモデルですが、1998年にV90/S90の生産を終了したことで、その系譜は途絶えます。 V90は当時のボルボ車のフラッグシップエステートという位置付け。日本仕様のトップモデルには最大出力200psを発揮する3.0L直6DOHC24バルブエンジンを搭載。ボディサイズもEセグメント上限に近い堂々たるものでした。ベースグレードの3.0とラグジュアリー仕様の3.0Eが用意され、3.0Eにはサンルーフや本革シートを標準装備しました。 また安全装備も当時最先端の運転席&サイドエアバッグ、ABS、プリテンショナー付シートベルトを標準装備します。
初代ボルボ V90 3.0E 主要スペック
■車両寸法・車両重量・乗車定員 ●全長×全幅×全高:4,860×1,755×1,495mm ●ホイールベース:2,770mm ●車両重量:1,630kg ●乗員定員:5名■エンジンスペック ●エンジン種類:直列6気筒DOHC24バルブ ●最高出力:200ps(147kW)/6,000rpm ●最大トルク:27.2kg・m(266.7N・m)/4,300rpm ●総排気量:2,921cc ●使用燃料:無鉛プレミアムガソリン ●10.15モード燃費:7km/L
■走行メカニズム ●サスペンション形式(前/後):マクファーソンストラット式/マルチリンク式 ●ブレーキ形式:四輪ディスク ●変速機:4AT ●駆動方式:FR
■販売価格:約600万円
2代目V90はどのような車か
2016年に18年ぶりに復活したV90は、同じ名称を掲げる車両としては2代目です。しかしメカニズム的には初代V90とは関連がなく、デザイン的にも類似点はブランドアイコンのフロントグリルのみです。 2代目V90はV70の後継車として登場しており、初代V90が元々は760エステートの後継モデルであった事情と似ています。しかしV70は1991年に登場した850に端を発するモデルで、従来のボルボ車とは関連せず新規開発した車両です。そのため1991年当時であっても850と960エステートの間には技術的な関連は少なく、車両系統的にも初代V90と2代目V90では関連性はありません。 2代目V90のエンジンには新開発Drive-Eを採用。2.0L直列4気筒エンジンをベースにターボを装備したT5、ターボとスーパーチャージャーを装備したT6、ツインチャージャーにモーターを加えたT8の3種のドライブトレーンを搭載します。 2代目V90も初代モデル同様、ボルボ車のトップエステートとして登場しました。初代V90同様Eセグメントの上限に迫るボディは、初代よりもやや拡大されています。 グレードはT5 モメンタムとエアサスペンション仕様、T6 AWD Rデザイン、T6 AWD インスクリプションとエアサスペンション仕様、T8ツインエンジン AWD インスクリプションが用意されます。駆動方式はT5エンジン搭載車のみFFで、他はフルタイム4WDです。 安全装備は従来のパッシブセーフティーに加え、自動運転にも通じる運転支援技術をインテリセーフの名称で全車に標準搭載します。インテリセーフには衝突回避・低減、車線維持、全周囲検知、対向車眩惑予防などに関する16以上もの技術が搭載されています。
2代目ボルボ V90 T6 AWD インスクリプション 主要スペック
■車両寸法・車両重量・乗車定員 ●全長×全幅×全高:4,935×1,890×1,475mm ●ホイールベース:2,940mm ●車両重量:1,840kg ●乗員定員:5名■エンジンスペック ●エンジン種類:直列4気筒DOHC インタークーラーターボ及びスーパーチャージャー ●最高出力:320ps(235kW)/5,700rpm ●最大トルク:40.8kg・m(400N・m)/2,200~5,400rpm ●総排気量:1,968cc ●使用燃料:無鉛プレミアムガソリン ●JC08モード燃費:12.5km/L
■走行メカニズム ●サスペンション形式(前/後):ダブルウイッシュボーン式/マルチリンク式 ●ブレーキ形式:四輪ディスク ●変速機:8AT ●駆動方式:フルタイム4WD
■販売価格:約799万円
初代と2代目V90を比較
新旧V90の間には18年もの歳月が流れています。果たしてどれくらいの差があるのでしょう。ボディサイズ・車両重量 全高を除くボディサイズ、車両重量ともに2代目V90が初代を上回っています。全長+75mm、全幅+135mm、全高-20mm、ホイールベース+170mm、車両重量+210kgの違いがあります。全長はほぼ変わらないものの、側面衝突安全性の強化により全幅を大幅に拡大。ホイールベースを延長し乗員スペースを確保し、直進安定性を向上させています。車両重量は210kg増加していますが、ボディサイズの拡大、充実した装備類、より高度な衝突安全性能などを考慮すれば、大幅な増加とは言えません。 エンジンスペック・燃費 2代目V90の搭載エンジンは排気量で約1.0Lダウンしながら過給器の助けもあり、初代モデル搭載エンジンに対し最高出力で+120ps、最大トルクで+13.6kg・mと大幅に向上しています。しかもどちらも発生回転数も下がっており、日常用途での高性能を目指したエンジンと言えます。 これだけのパワーアップを果たしながら燃費は+5.5km/L。測定方法はJC08モードの方がより実燃費との乖離が少ないので、この差はさらに広がると考えられます。 エンジン性能と燃費の差は、およそ20年間の技術革新の成果です。古いエンジンではどうしても新しいエンジンには性能、燃費両面で敵わないのは仕方のないところです。 安全装備 安全性能では常に時代の先端を行くボルボですが、さすがに18年もの時間差があると初代V90は2代目V90の前では霞んで見えます。 初代モデルにはエアバッグ、ABS、シートベルトプリテンショナー、クラッシャブルゾーン、高剛性ボディといったパッシブセーフティー装備が中心です。2代目V90ではこれらパッシブセーフティー装備を更に進化させながら活かしつつ、初代モデル登場時には概念すらなかったアクティブセーフティー装備を充実・進化させ自動運転一歩手前とも言える運転支援技術を採用し、走る・曲がる・止まるをより安全確実に行えるようになっています。
やはり、自動車の技術は日進月歩ですので初代モデルと現行モデルではかなり進化していますよね。過去と現行のモデルを比べることで、ボルボがどれほど進化してきたのか、そして安全を追求しているのかを垣間見ることができます。初代V90を新車で買うことはとても難しいと思いますが、中古車であればそれなりの数がありますので検討してみてはいかがでしょうか。
■ 北欧文化の発信基地 ■
北欧とボルボの魅力を、日本人ならではの感動サービスとともに。
【大阪のボルボ正規ディーラー】
ボルボ・カー香里園(大坂府 寝屋川市)
ボルボ・カー堺(大坂府 堺市)
【富山のボルボ正規ディーラー】
ボルボ・カー富山(富山県 富山市)