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ボルボのオープンカー!C70カブリオレをご紹介!
ボルボと言えば、多くの方が「安全性を最優先にするメーカー」というイメージを抱いていると思います。これは、3点式シートベルトや後ろ向きチャイルドシートを世に広めたことや、衝突安全実験で常に最高の評価を受け続けてきたことによるものでしょう。
なかでもボディの衝突安全性については、1975年発売の240シリーズで、確固たるものとしました。その後ボルボは、直線基調の角ばったデザインでクルマ作りを行います。そのため、昭和生まれのクルマ好きにとってボルボは、“四角くて面白みのないデザイン”というイメージが定着していました。
しかし1997年、四角くて垢抜けないイメージを一新させる新型車が発売されます。それが、ボルボ C70カブリオレとC70クーペです。
特にC70カブリオレについては、転倒時の乗員保護に不利となるオープンカーに懐疑的で、みずから手がけることを避け続けてきたボルボがリリースしたことでも話題になりました。
■デザイン
それまでのモデルとは一線を画するC70のデザインは、イアン・カラムがイギリスのTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)に在籍していた時のものです。過去には、フォード、アストンマーティンで腕をふるい、現在はジャガーのデザインディレクターとして活躍を続けるイアン・カラムの代表作としては、フォード RS200、アストンマーティンDB7、ヴァンキッシュ、新しいものだとジャガーFタイプなど。アストン、ボルボ、ジャガーに共通するのは、クーペとして最上級の美しいデザインを持っているということです。
当時のボルボにとって、クーペとカブリオレは未知の領域であり、開発にかけられる時間は限定され、くわえて経験値や人材も不足していました。そこで、それらを一気に補う方法として、当時のBTCC(イギリスツーリングカー選手権)にて、ボルボのレーシングチームと関係のあったTWRと提携します。
デザインで目指したのは、“角ばった箱型”というイメージを変えること。TWRのデザイナー、イアン・カラムは、従来のイメージ通りの箱型の車をデザインした後、流麗なラインを追加していくことでクーペを完成させました。すでにカブリオレを製造することも決定しており、クーペとカブリオレのデザインは並行して進められたといいます。
イアン・カラムは、こうしてボルボを四角いデザインから離れさせることに成功しました。
画像はC70クーペ。出典:https://www.volvocars.com/
■居住性と安全性
デザインを流麗にしたからといって居住性や安全性が犠牲になってしまったのでは、それはもうボルボと名乗るわけにはいきません。C70は、一見すると相反するように思えるこれらの要素と高次元でバランスさせることに成功しています。
前述したオープンボディの転倒時の乗員保護については、ROPS(ロールオーバー・プロテクション・システム)によって、横転検知時は後席後ろのフレームが瞬時に立ち上がる機能で、ベースプレートに固定された高張力鋼のフロントのウインドウフレームあいまって、乗員を保護。
さらに、側面衝撃吸収のSIPSや後部衝撃吸収リクライニング機構付フロントシートWHIPS、ベルトテンショナー、サイドエアバッグなどを備え、安全性を向上させています。
C70の室内は、カブリオレでもクーペでも、大人4人がゆったりとくつろげる居住空間と同時に4人分の荷物を収容するのに十分なラゲッジスペース有していました。
■販売台数
販売していた1996年から2005年までの9年間に大幅なデザイン変更はされませんでした。それだけ当初からのデザインが秀逸だったことの証明とも言えます。
ボルボC70カブリオレは、2002年まで製造され、49,795台を販売。クーペは2005年まで製造され、27,014台が販売されました。クーペとカブリオレの台数逆転現象には驚かされます。
2005年になると、新しいC70がデビュー。2代目にあたるこのモデルは、3分割のリトラクタブルハードトップを備え、2013年まで販売されました。
1996年の誕生から20年以上の歳月が経過した現在では、街中でC70を目にする機会はめっきり少なくなりましたが、ボルボのデザインに変革ももたらしたモデルとして、語り継がれることでしょう。
ボルボ歴代のモデルをチェック!➡Volvo HERITAGE MODELS(Volvo Cars Japan 公式サイト)