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2018.04.25 Whats VOLVO
乗用車で世界初の燃料噴射技術「i-ART」って?
福祉大国であると同時に環境保護にも造詣が深いスウェーデン。もちろんボルボも環境性能や燃費性能に優れたパワートレーンを用意しています。中でも興味深いのが2013年からディーゼルターボD4に搭載されている「i-ART」。ディーゼルエンジンの燃費と環境性能を新たな次元へと導いています。
「i-ART」の凄さは緻密な制御にあり ボルボと日本のデンソーが共同開発した新型電磁ポンプ「i-ART」は、従来の機械式ポンプの燃料噴射を「目分量」から「緻密な計測」に変えました。さらに各気筒を各燃焼サイクルごとにモニタリングできる超小型PCをポンプのインジェクターに設置。アバウトな機械式ポンプでは到底及びもつかないような緻密な燃料噴射制御を行います。 基本的な制御ロジックは、単純に言えば混合気を完全燃料させることです。混合気を完全燃焼させることでエンジン出力を向上させ、従来のディーゼルエンジンの大問題であった排気ガスの黒煙や環境に害を及ぼす成分を削減でき、燃費は5%向上しました。混合気の完全燃料を促すためには、適切な量の混合気を燃焼サイクルごとに噴射する必要があります。もし燃料噴射タイミングがずれた燃焼サイクルがあれば、インジェクター内の超小型PCが自ら噴射タイミングを修正し、極力不完全燃焼を避ける制御を行います。その精度は10万分の1秒のずれですらも検知し、修正するほど。これだけの緻密な制御を行う燃料噴射装置「i-ART」は、世界で初めてボルボ車に搭載されています。
「i-ART」採用エンジンのスペック ボルボが生産するディーゼルエンジンで、「i-ART」を採用しているのは2.0L直列4気筒ディーゼルツインターボのD4です。ツインターボのタービンは小型と大型を各1基ずつ装着。空気流入量の少ない低回転域では小型タービンが、中回転域以上では大型タービンも併せて作動し、エンジン回転数全域で十二分にパワフルな特性を示します。 D4エンジンはXC60搭載時で最高出力140kW(190ps)/4,250rpm、最大トルク400N・m(40.8kg・m)/1,750−2,500rpmを発揮します。最大トルクを1,750rpmから発揮となると、日本の道路事情では時速60~80km走行時になりそうで、発進時や市街地走行ではトルクの太さを実感できるか不安に感じるかもしれませんが、心配いりません。D4エンジンのトルク曲線によると、1,000rpm時で最大トルクの50%に相当する20.0kg・mが発生するとのこと。1,000rpmはアイドリング回転数より少し上なので、発進もスムーズ。力強い発進でXC60の運転のしやすさをサポートしてくれます。
[caption id="" align="aligncenter" width="478"] DRIVE-E 2.0Lクリーンディーゼルエンジンのトルク曲線[/caption]
JC08モードの燃費は20.2km/L、クリーンディーゼル搭載の次世代車として認定されているのでエコカー減税の対象となり、自動車税と自動車重量税が購入時と初回継続車検時に免除されます。
世界初となる先進の燃料噴射装置「i-ART」を採用したD4エンジン。このユニットを搭載する日本市場に導入されているボルボ車は2018年4月現在で、XC60、V60、S60、V40です。V60とS60はスウェーデン本国では新型が発表されましたが、日本は前世代のままです。いずれ新型V60、S60も導入されると思われますが、D4搭載車をぜひラインナップして欲しいですね。
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