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2018.04.23 Whats VOLVO
世界初3点式シートベルトが搭載された車をご紹介
日本で初めてシートベルトが保安基準に入ったのが1969年(昭和44年)のこと。当時は運転席だけで助手席、後部座席には装着義務はありませんでした。しかしボルボでは1959年に3点式シートベルトの特許を取得し、無償提供しています。3点式シートベルトを正解で初採用した量産車はボルボ PV544です。
ボルボ PV444による乗用車デザインの近代化 自動車がクラシカルなデザインから一気にアップデートされたのは、1946年に発売開始された小型車のPV444が最初でした。1946年、ボルボはクラシカルなデザインと現代流のデザインの新車を発売し、市場動向を探っていたともいえます。結果はPV444に軍配が上がり、プレーンバックスタイルは以後、ボルボでは生産されなくなりました。1946年の発表以来細かい改良を加えながら1958年まで、実に12年間に渡るロングセラーとなり、世界中で20万台を販売する大ヒットモデルとなります。 ボルボ PV444のデザインは、オーソドックスな2BOX。ノーズはPV60と比較すると小型車であることもあり、大幅に縮小されています。タイヤはボディ内に設けられたフェンダーハウスに収まっており、前後フェンダーはボディサイドに直接取り付けられています。フロントフェンダー上方に設置されていたヘッドライトは、ノーズ先端の車体前面(フロントマスク)に移設されています。現代では当たり前の自動車デザインですが、この大幅なデザイン変更はボルボ車では20年目の大変革でした。
ボルボ PV444による乗用車メカニズムの近代化 12年間製造されたボルボ PV444はメカニズムの面でも、従来のボルボ車とは一線を画す存在です。エンジンはそれまでのサイドバルブ方式からボルボ車初のオーバーヘッドバルブ(OHV)方式に変更され、燃料噴射装置にはキャブレターが採用されています。搭載エンジンは発売当初は1,414ccのB4B型でしたが、1955年にはSUツインキャブ仕様のB14A型、1957年には1,583ccのシングルキャブ仕様のB16A型とツインキャブ仕様のB16B型エンジンに換装されています。 ボディにはモノコック式が採用され、車両重量が1tを切る軽量化に貢献。サスペンションは固定軸から独立懸架に変更され、路面とタイヤの設置性をたかめつつ不整路の乗り心地を改善しています。基本的なコンポーネントは現代の自動車技術の礎となっています。
[caption id="" align="aligncenter" width="640"] ※画像はPV445。[/caption]
ボルボ PV544とは? ボルボ PV544はここまでご紹介してきたPV444の改良型モデルです。PV444は1958年に大幅な改良を受け、車名をPV544へと改称します。PV444の車名の由来はスウェーデン語の乗用車を意味する「Person Vagn」の頭文字と、4人乗り、4気筒エンジン、40bhpに由来します。1958年の大改良では後席の設計を見直して居住性を向上させ5人乗りとしました。そこで5人乗り、4気筒エンジン、40bhp(PV544のシングルキャブ車初期出力は実際には60bhpです。)でPV544というわけです。 1958年の大改良は後部座席の他にウインドウガラスが改良を受けています。PV444ではフロントウインドウに単板ガラスながらラミネート加工を施したものを採用していましたが、PV544では1枚ものの曲面ガラスを採用しています。またリアウインドウはPV444では左右分割式でしたが、PV544では1枚ガラスとし面積を拡大。中央のピラーもなくなっているため、後方視界の拡大が行われ、死角が減少しました。 さらにリアサスペンションはボルボ P120(アマゾン)シリーズ譲りのコイルサスペンションを採用、乗り心地の改善を図っています。
エンジンはPV444時代の1957年の改良以来、1,583ccのB16系エンジンを搭載していましたが、1961年の改良で1,778cc、シングルキャブ仕様のB18型エンジン(最高出力75bhp)を搭載し、運動性能を向上させました。ダブルキャブ仕様はB18D型と呼ばれ、最高出力90bhp(後に95bhpに向上)を発揮。高性能バージョンとして販売され、現在のPolestar戦略の先駆けのような存在です。 また現代の乗用車の電源では標準となる12V電源も、ボルボ PV544にB18エンジン搭載と同じタイミングで採用されたものです。 安全面ではフロント・リアウインドウ以外にも、1959年に世界初の3点式シートベルトを装備しました。開発車のニルス・ボーリンの”誰でも安全性を享受できるように”との意向で、3点式シートベルトの特許を無償で公開し世界中の自動車メーカーは彼の恩恵に与っています。3点式シートベルトと同じタイミングで、室内のダッシュボードにはクラッシュパッドが貼られ、万が一の衝突の場合でも乗員の保護性能を向上させています。
ボルボ PV544は1958年から1965年にかけて製造され、世界中で24万台を販売しました。PV444時代からの通算では19年間に渡り製造され、延べ販売台数は44万台となります。ボルボ PV544は1950年代後半から60年代を代表する欧州車の1台と言っても過言ではありません。
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